夏季報
原田夏季
日本人中国語講師。
高校で中国語に出会い、大連へ留学。講師歴は18年。中国語で何か楽しいことができないかと常に考えている。

最近の学習者の傾向について

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ここ数年、中国語の学習者の数が爆発的に増えた…なんて感覚は特に無く、私が中国語を始めた24年前から同じようなテンションで、ドカンと増えることもガクンと減ることもなく、じわじわ増えてきたかな?どうかな?という感じです。

目次

中国語と英語のイメージ

中国語は英語と比べると、なんとな〜く派手さに欠け、地道に黙々と、勉強を楽しんでいる方が多い印象でした。これだけ中国が発展し、英語の次は中国語だ!就職に強いのは中国語だぞ!と言われながらも、なんとな〜くマイナーなイメージを自ら保ち続けた印象です。自ら、というのは「浮つかないぞ!」という確固たる意志を、学習者や教師全体で持っていたような気がするからです。

ではなぜ、なんとな〜く地味(直球)だったのか。私は中国のエンタメが日本に入ってこなかったからだと思います。英語学習者がSEX AND THE CITYを見て楽しそうにしている中、日本で楽しめる中国語のエンタメが少なかったんです。歴史物は結構沢山あったんですが、現代の言葉を学びたい私には合わなかった…。

SEX AND THE CITY

台湾版『花より男子』の思い出

私が初めて中国に行ったとき、中国は台湾版花より男子『流星花园』の大ブームでした。そこら中にF4(Fsìと読みます。カタカナで表すなら「アエフスー」のような発音です。)のグッズが売られ、コンサートDVD やCDがバカ売れしていました。

私も例に漏れずハマって、毎日昼夜問わずDVDを流しっぱなしにして、セリフを丸暗記するなどしていました。友達とセリフを真似して遊んだり、アメリカ人のエミリーとは道明寺Dàomíngsìと花泽类Huāzélèiどちらを取るかで、あわや殴り合いの大論争になったこともあります。このように、私の中国語の成長には、ドラマや映画が大きく役立ってくれたのです。

左なら花泽类、西门、道明寺、美作

日本に来た中国エンタメ

そして今、日本に中国エンタメコンテンツがわいのわいのとやってきています。代表的なのはアニメ『ロシャオヘイ戦記』とドラマ『陳情令』ですね。この2つは今更私がどーのこーの言うこともなく、めちゃくちゃ面白いです。

ゲームでは『原神』を始め、スマホゲームに大きな影響がありました。中国のゲームであることを知らないまま遊んでいる人もいそうです。

ここ数年は中国エンタメをきっかけに中国語を学び始めたという人がとても増えた印象です。これは本当に嬉しいです。日本で勉強していると、どうしても中国語の勉強自体が目的になりがちです。楽しければそれで最高なのですが、私のような勉強イヤイヤ人間にはモチベーションが続かない原因にもなり得ます。これが「映画やドラマを理解したい」という目標になると、中国語があっという間に目的からツールに早変わり。中国語を使って何をするか、それを最初から見つけていることになるんですね。すごい。強い。

私は気に入った作品を何度も観るタイプなので、ドラマをたくさん見たりはしないのですが、お気に入りの作品は繰り返し見て、使える表現を真似するようにしています。

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