夏季報
原田夏季
日本人中国語講師。
高校で中国語に出会い、大連へ留学。講師歴は18年。中国語で何か楽しいことができないかと常に考えている。

語学学習とコストパフォーマンス

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ChatGPT君が私の助手になってしばらく経った。

教材作成のために、〇〇に関する単語を挙げてくれと言えば、私から何も言わなくても左から「中国語」「ピンイン」「日本語」の表にしてくれるようになった。

私は、ChatGPT君が挙げてきた単語を、一つ一つチェックして、地域差があるかどうかなどを考えたり、百度で画像検索したりする。

ChatGPT君には、「この中国語、おかしいところある?」なども気軽に聞いたりしている。いくら聞いても怒らない。好青年すぎて鼻につくから、もう少し悪いやつになってくれないかと思って、ヤンキー口調にしてくれと頼んだこともあったけど、頼む仕事が↑のようなことばかりなので、あまり馴染まない。

AIに仕事を奪われる不安

AIがいれば外国語学習の先生は要らなくなるのではないか?

いや、むしろ外国語学習自体が無くなるのでは?

そんな不安、私にもあります。私がやってきたことはこれからはAIに全部やってもらう?そしたら、私は?年取って何すればいいの?何が残るの?どうやって誰かの役に立てばいいの?

「外国語学習はコスパが悪い」

先日Xで、以下のポストをしました。

その時、ある方から「Xで外国語学習はコスパが悪いというポストを見て落ち込んでいた。(大筋)」というリアクションをもらって、考え込んでしまいました。

コスパ…?

考えてみれば、たしかにそうかもしれない。

私は高校3年間中国語を勉強して、留学は1年半、仕事を始めてからも、たまに中国語の講座を受けている。少し方向性は違うけど、今も大学院で勉強している。

学費と時間、めっちゃかかってる。しかもこれからはAIが活躍するかもしれない時代。外国語学習、コスパで考えたらどうなんだ…?

コストパフォーマンスとは

ググった。

この最後の「成果」ってとこがポイントな気がする。

外国語学習の成果とは?何を以て成果とするのか?

外国語学習の理想と現実

学習者は、学習の成果を出すために立てた目標に向かって山を登り始めます。

学習当初に掲げた目標は、遥か高いところで自分を待っているかのように見えます。

学習を続けていれば、いつか自分も目標に到達できる!ゴール!やったー!ハッピー!

でも、現実の目標は、自分が登れば登るほど、高いところへ逃げていきます。

自分が登れば、上が果てしなくまだまだ高いことが分かってくるので、目標もどんどん高まっていくわけです。

どんな専門家や職人にも言えることだと思うんですが、プロが謙虚なのは、上には上がいることを知っているからなのではないかと。

登ってから見えるもの

でも、少しでも登ったら、そこから見える世界は変わります。

中国語を学んで、中華料理の楽しみ方が変わったり。

TVのニュースで中国人のインタビューから単語を聞き取ったり。

今まで考えてこなかった歴史問題に触れたり。

近所に住んでいる外国人の家族が気になり始めたり。

言葉が分からない場所で暮らすストレスを知ったり。

同じ目標を持つ人と出会ったり。

好きな人ができたり。

嫌いな部分が見えてきて、相対的に自分のいる場所の価値が見えてきたり。

得られるものは意外なほどに多いのに、これらはジワジワと効いてくるタイプのやつなので、認識しづらいように思います。

しかし、認識しづらいこれらこそが「成果」なのでは?と、私は思います。

分かりやすくペラペーラになって、手っ取り早くお金でも稼げればいいんですけどね。外国語オンリーでお金稼ぐのって、更に更に目標高くなるのでね…。

最後に私が一番中国語やってて良かったなと思うことを書いておきますね!

「一家離散とかして、日本で暮らすことができなくなったら、海外で暮らすことも選択肢の一つであると実感できたこと」

です!精神的な保険として!役に立っております!


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