夏季報
原田夏季
日本人中国語講師。
高校で中国語に出会い、大連へ留学。講師歴は18年。中国語で何か楽しいことができないかと常に考えている。

「発音を学ぶ」ってなんだろう

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「中国語の発音は難しい」の真相

「中国語は発音が難しいからね…。」よく言われるセリフですが、これを少しだけ補足すると

「中国語の声調は習得するまでが難しいからね…。」だと思います。

広い中国には、方言が多く存在します。中国人同士で「あいつは訛ってる。」「私、普通話の発音そんなに上手くないから…。」という会話は日常茶飯事です。

中国で活躍する日本人の中で、ネイティブレベルにまで発音を極めた人はあまりいません。それでも、中国人と交渉したり、遊んだり、話し合ったりできるのは「声調が合っているから」なのです。

中国語の発音は声調が合っていれば8割方OK!相手に意図が伝わります。声調の大事さに比べたら、反り舌音が苦手だとか有気音と無気音の区別が甘いとかは問題になりません。

私は中国語を話すにあたり、発音というハードルを上げすぎるのは学習者にとってメリットが少ないと考えています。日本人訛り、いわゆるカタカナ発音の中国語であっても、通じるならそれは素晴らしいコミュニケーションです。

君だけはちゃんとしないといけないんだわ。

目指す発音は人それぞれ

「すぐに会話したいので、まずは伝わればOK!」

「聞く人に負担をかけない中国語にしたい」

「あの人みたいな発音を目指したい!」

「音読をもっと滑らかにしたい!」

「中国人と間違えられるようなナチュラルさが欲しい」

発音の練習といっても、人それぞれ目指す目標が違います。全員がアナウンサーのような標準的な普通話を目指す必要はありません。

私自身は中国語の発音が大好きで、教えてくれと言われればどこまでも細かくやりたい派です。それはもう、楽しくて楽しくて仕方ない時間です。

でも、どこまでやるかはその人次第なので、相手のニーズを読み間違えないように、細かすぎないように気をつけています。

発音を教えている時のいきいきとした私

発音の指摘は細心の注意が必要

発音のアドバイスをするのは、相手が望んでいない場合はとても失礼な行為になり得ます。発音レッスンでも、私なりに言葉選びにとても気を遣っています。

中国語を使って何をするかは人それぞれですが、中国語を楽しむ気持ちは誰もが平等に持てる権利です。講師として、楽しさを損なうようなことはあってはならないと思います。

それなら、どうして発音を学ぶのか

とはいえ、やっぱり発音が好きだ。

好きだーーーー!!!

私含め、中国語の発音がだーいすきチュッチュッと言う人もいるわけで。「伝わる発音」から先のレベルは底なし沼です。突き詰めれば突き詰めるほどわからなくなる。

それでも、「私の発音、結構いいじゃん」と思いながら音読ができるのって楽しいです。音読を始めて、自分の声が好きになった!なんて人もいます。

自分好みの発音をめざして努力する姿は、誰がなんと言おうと尊いのです。

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